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3/30(Sun)

Today's member: 大野航太郎

FEST Journalをご覧いただきありがとうございます。

 

FEST Journalの更新も最後となりました。学生国際協力NGO FEST TOKYOで代表を務めさせていただいている大野航太郎と申します。

 

「渡航」僕たちにとってこの感じ2文字には特別な意味があります。

 

今まで毎週毎週と、積み重ねてきたミーティング。そこで考えたこと、話したことの実践の場。要するに、日々の積み重ねの「結果」が出る場です。

 

そういう意味では、日々の活動の延長線上にもあり、全く乖離したものではありません。

 

しかし、性質として、渡航でしか得られない刺激、情報。渡航に来なければ持たなかったであろう考え事、悩みがあるのも確かです。ガラリと環境を変え、行動し続ける渡航中の時間は形容するなら「切り取られた時間」だと言えます。

 

バイトのシフト、大学のレポート、友達からのLINEの返信など、考えなくてはいけない多種多用なものから少し離れ、積み重なる目の前のこと、目の前の人に集中するこの期間は「幸せとは何か」「自分が本当に求めている者は何か」というような、流れている日常では気が付きにくい、答えがないような問いを自分に投げかけるチャンスでもあります。

 

前置きが長すぎましたが、渡航中の僕の考え事について少し書きます。

 

「現地の人の方が日本の人より幸せそう」学生で国際協力に身を投じている(つもり」だとこの言葉はすごくたくさん聞きます。

 

でも、正直僕はこれには少し疑問を感じます。

 

「人の笑顔は幸せを測定するための基準になり得るのか」「幸せそうな人は幸せなのか」

 

答えは偽であると僕は思います。

 

 

僕は幸せとは定義不能、客観的な測定をすることもナンセンスだと思ってしまうのですが、

 

人はその答えを求め続けています。かくいう僕もそうです。

 

僕の出した答えにならない答えは、「幸せは自己の中で妥協を織り交ぜながら形成する満足感である」となりました。

 

「妥協しない」はカッコいいフレーズですが、妥協は必要だと思います。

 

大切なのは「妥協できないポイント」はどこにあるのか自分で認識できること。そこに「幸せ」の核があると思います。

 

 

つまり目の前の他者が幸せなのかは他の人にはわかりません。その人にも幸せな時があればそうでない時もあるでしょう。その時の気分です。

 

なので、スラムの人はみんな笑っているし幸せそう!というのは、スラムの人をあくまで被写体というか、対等に、自分のことを考えられるように見ていないことの表れなのではないかと卑屈に思ってしまうわけです。

 

ただ一つ、「経済的な状況が幸せと直結しない」という主張には賛成です。

 

その人のスタンダードが違えば、妥協できる点も違いますから。

 

だから僕は、自分の望むことと、現地の人や大切な誰かの望むことの妥協に満ちた中間点を目指して行こうと思います。それが今できる両者にとっての最善の道だと今は信じています。

 

 

「人間らしさ」とは何か、「お金とは何か」

 

考え事は尽きません。本当に面白い環境と立場に身を置いていることが改めて自覚されます。

最後に渡航中必死に頭も体も使い続けたメンバー、もやもやしたことも悩み事にたくさんあったでしょう。

本当にお疲れ様でした。

 

渡航に行かなかったメンバー、焦りもあるかと思いますし、把握もできてないところもあるでしょう。でも、皆の1か月は無駄じゃなかったはずです。渡航いったメンバーと変わらず期待してみているからね。

 

 

今まで活動してきたOBOGの皆様、あなた達が残した多種多様で大量の財産は僕らに残り続け、団体を動かしています。本当にありがとうございました。

 

また、僕たちが渡航に行けるのは両親や様々な関係者の皆様のおかげです。本当にありがとうございます。

 

そしてこの文章を更新してくれるジャーナルのメンバー、お疲れ間です。ありがとうございます。

 

 

この文章は最後まで誤解を恐れず正直に書きました。いつかこの独りよがりな考えを壊してくれるメンバーが現れることを願って。

 

 

学生国際協力NGO FEST TOKYO 代表

 

大野航太郎

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