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・団体説明

チャイルド・ファンド・ジャパンは、1975年より、アジアを中心に貧困の中で暮らす子どもの健やかな成長、家族と地域の自立を目指した活動をしておられます。活動をとおして人と人とが出会い、お互いに理解を深め、つながることを大切にしています。子どもの「生きる、育つ、守られる、参加する」権利に基づき、子どもたちみんなが幸せに、そして責任ある大人に成長することを願い活動しています。

 

http://www.childfund.or.jp/

・団体の構成について

 

細川さん:私たちはチャイルド・ファンドは12カ国で構成されているネットワークなんです。

 

例えば、ヨーロッパには、スウェーデン・アイルランド・デンマーク・フランス・ドイツなどの団体が加盟しています。自身のプログラムカントリーを持っていない国は主に自国の中でのファンドレイジングや・支援者対応、提言活動しています。

 

フィリピンで支援を実施しているのは日本と、チャイルド・ファンド・インターナショナル(アメリカ)です。ただエリア的には重複せず、それぞれが異なる地域で事業を実施しています。基本は一国に対して一国が支援する形になっています。

 

・海外支援事業の組み立て方について教えてください。

 

細井さん:3ヶ年ごとに立てる中期計画というものを基本に、海外支援事業についても、毎年話し合いでその時の外部環境、内部環境を踏まえて海外事務所と話し合って決めています。

 

中期計画では、その3ヶ年でフィリピンとネパールでそれぞれ、収入予測と現地の状況を踏まえて、スポンサーシッププログラム(※注)ではどれくらいの子どもを支援するか、支援プロジェクトは何をするかという目標・計画を立てます。

 

毎年の事業計画は中期計画にそって、海外事務所と話し合いで決めます。スポンサーシッププログラムは、支援地域の住民と5カ年計画を策定して5カ年単位で事業を進める長期の開発事業ですが、何人の子どもを支援するか、どの地域、どういう分野を重点的にするか、など具体的な計画は年度ごとに確定します。

 

一方支援プロジェクトは3ヶ年くらいの短期で特定の開発課題に合わせて実施するプロジェクトなので「スポンサーシップ・プログラム」に比べてフレキシブルです。協同組合の強化支援プロジェクトのようにスポンサーシッププログラムの補強的な活動として実施する場合もあるし、特定の課題対応のために、スポット的に実施する場合もあります。

 

 

※スポンサーシッププログラム:国内の支援者と支援地の子どもを一対一の関係でつなぐ教育支援プログラム。「精神里親」という表現をすることもある。

 

・プログラムの内容はどのように設定されているんですか?

 

細川さん:チャイルド・ファンド・ジャパンは日本人の駐在員を置かない主義で、というのも「現地の文化を理解している、現地の人の知りうるところでサポートして広げていきたい」というところがあるんですね。やはり現地の理解が深い人のほうが住民からの信頼も得やすいし活動しやすいので、日本人のスタッフがいないんです。ですから各現地入りの時に活動の内容を一年間どのように活動していくっていうのはセンターとフィリピン・オフィスのスタッフと協働して組み立てます。自分たちの生活についてだったり、子どもたちを巻き込んで意見を聴いたりもします。子どもへの支援の内容としては教育支援の他に保険医療の機会の提供も行っています。

 

・活動の資金源について、里親が出してくれたお金はスポンサーシップの子どもに対して使われるのですか。

 

細川さん:そうですね。基本は子どもですが、「子どもに教材や制服を提供します」といってもそれだけでは学校に通い続けることは難しいんですね。なので、親の理解は必要です。スポンサーシッププログラムは1対1で子どもを支援するというのが中心ですが、その親、地域住民というものも支援の対象になります。

・地域の協同組合の強化支援なども行なっているんですよね?

 

 

細川さん:近年フィリピンで実施している、協同組合の強化支援プロジェクトでは、貧しさの連鎖を断ち切るために現地のお母さんたちが中心となってできた協同組合を支援の対象にしています。現地では「ファイブ・シックス」と呼ばれる高利貸しの制度があり、保証担保もなく軽く借りることができるんですが、一回借りるとどんどん金利も膨らんでしまって貧しさの連鎖から抜け出ないという現象が長く続いているんです。

 

活動資金を1日1ペソ貯めて、子どもの奨学金制度の手配など、活動内容も住民が話し合って決めています。今では協同組合から給与をもらっているスタッフもいたり、仕事としての目的もできてということでお母さんたちがかなり元気になっていて私たちも驚きましたね。

 

・現地のスタッフの企画に基づいたプロジェクトも行ったりしているんですか。

 

 

細川さん:はい。子どもが本というものに触れる機会が少ないという現状を現地のスタッフが報告があった時は、本を読む力、本から学習する力を育む事を目的に読書という文化を入手する行為は必要ということから、「子どもが読書に親しむプロジェクト」を実施しました。言語や現地のトレンド、子どもの年齢などから教員やスタッフが適切な本を選んでいます。それまで休み時間になると外に遊びに行っていた子どもが休み時間でも教室で本を読むなど、読書が楽しんでいるという報告もあり、現地の先生たちは良い効果と判断してくれています。

 

なかなかフィリピン、ネパールだと、小学校3、4年生の特に女の子の退学率が高く、そのちょうど文化的な心を養う時期に、読書というプロジェクトを集中して行う事による勉強離れを防ぐ事も狙っています。このように現地からの報告と共に組み立ててプロジェクトを組んでいくっていうのは必要だと考えています。

・国際協力活動を行う学生へのメッセージ

 

 

細川さん:私自身が一般企業から転職した経緯があるので、社会貢献活動という企業が行っていることに対しては例えば経営戦略や、広報活動の見方をしていたんです。最近は得に学生団体やネットワークから活動について話を聴きたいという連絡を貰うことが少なくないのですが、とても頼もしいなと思います。

 

ただ、ネットワークの実態が見えない場合があるので、信頼性を得るためにどのように活動をされているのかなというお話を伺えるとイメージしやすいですね。皆さんみたいに独自でNGOを立ち上げられて活動するのももちろん素晴らしいことなのですけど、他のNGOがどういう風に活動して社会を変えようとしているのかという勉強にもなるのでそういうところにもネットワークで広げていっていただけるとかなり幅が広がるかな。

 

中村さん:人の為に何かしようとか踏み出せるってすごく勇気がいることだと思うのでそういう気持ちを今後も持ち続けてください。これ失敗かなと思うこともあると思うけど、誰かの幸せに結びついているって思えば自分も満足できて、不平等に喘ぐような人々が一人でも減るように貢献していると思うから、団体の引退後も何かの活動とかに参加したり、自分たちのためだけではなくて人のために頑張って欲しいなと思います。

現地の人の知りうるところでサポートして広げていきたい。

現地からの報告と共にプロジェクトを組んでいくことが必要です。

October 2013

This month's interview

特定非営利活動法人 チャイルド・ファンド・ジャパン

細川 敦子 様、細井 なな 様、中村 健士郎 様

みんなの”知りたい”

を叶えたい。

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