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現役時代にどんな活動をしたのか教えてください。

 フォトワーク事業部の事業部長です。国内事業部にも入っていました。カメラが趣味だったのでフォトに入りました。当時の活動内容としては、渡航時に現地の人にインスタントカメラを配って写真を撮ってもらい、その写真を使って写真展を開く、というもの。カメラを配布したりその写真について聞くことで、現地の方との交流をはかる、という意味もありました。

 

初めて行った渡航の話を聞かせてください。

 初めての渡航は、まだ支援地が決まっていなかったので、色んなスラムを回って調査をしました。その中で、広さや安全面等を考慮した上で支援地としてマボロが決まりました。色んなスラムを見てたから、マボロを最初に見た時は、スラムという印象はありませんでした。洪水のこととか、まだ知らないことも多かったので、他のスラムよりはマシだなっていう印象でした。ただそうなると、足りないものを与える単純な支援じゃないから、逆に難しかったです。最初に家を回って必要な支援を聞いた時、色んな家庭に教育支援してほしいって言われて。自分たちは環境問題が解決すべき問題だと思ってたから、ギャップを感じました。だから帰国した後も、どんなポイントから支援をしていくのかで随分揉めました。あと、将来の夢を子供達に描いてもらったら、ほとんどの子供達が大きな家を描いてたことが印象的でした。具体的な職業を描く子供がほとんどいないんだなって。最初の渡航は、色んな点で驚くことが多かったですね。

 

2回目の渡航で印象的だったことは何ですか?

 フィリピン大学で写真展を開きました。展示した写真の内容は、日本の写真と、マボロで住民に撮ってもらった写真。マボロの写真を展示したのは、何か気付きがあれば良いと思ったからです。フィリピン人自身に、国内の問題に気付いてもらって、フィリピンがフィリピンを助ける、という流れができたら良いな、と思いました。あと、2回目の渡航で印象的だったのは、ストリートチルドレンにインスタントカメラを配ったことです。彼らは、本当に少しだけ英語が通じるんだけど、やっぱり警戒していて、話すのが大変でした。現地で知り合った高校生に通訳代わりに付いてきてもらって、カメラ配布について説明してもらいました。大変だったのは、カメラを回収するとき。待ち合わせ時間に行ったらやっぱりいなくて、2時間くらいずーっと待ちました。ずっと待ってたらひとりだけ来て、カメラを渡してくれました。ひとりでも回収できたら成功だと思ってたから、良かったです。後日現像した写真をあげたら、嬉しそうに家族みんなで見てた姿も印象的でした。

 

渡航で思い出に残っていることは何ですか?

最初の渡航で、お腹を壊して一人部屋に残ってルームサービスのご飯頼んだら、運んできたボーイがゲーイで求愛されました(笑)なにしろゲイに好かれるなんて初体験ですから、戸惑いました(笑)ちなみにお腹壊してトイレに籠ってばっかりだったので、メンバーには「トイレの神様」と呼ばれてました。

 あと印象的なのは、現地の高校生と知り合ったこと。フィリピン大学で写真展をやった時に、彼らが友達を誘って来てくれて、お客さんがすごく増えました。その中のひとりの女の子に告白されたりもしました(笑)その時は、FESTメンバーが、「彼はゲイだよ」って彼女に言ったのを真に受けちゃって、すごく悲しんでましたね(笑)

それから、写真展の準備を、現地で知り合った大学生が手伝ってくれたのも嬉しかったですね。写真展前夜の準備作業や当日のフォローだけでなく、広報ビラを配りにいろんな大学を一緒に駆け回ってくれたりもしました。だから渡航は毎回、FEST以外の多くの人の存在の大きさを感じて感動するんです。

そういえば写真展開催は3/12、東日本大震災の翌日でした。地震発生当時はメンバーも混乱して、

テレビの映像を見て日本のことだとはとても思えなくて。とりあえず家族の安否が確認できるまでは待機。写真展の中止も考えました。自分たちも状況がつかめていない中で、来場した方々は皆、日本のことを大変心配して下さりました。津波のことについては、その後の渡航でも毎回聞かれました。他国のことなのにこんなに心配してくれる…。自分はどうだろうと考えて、情けなかったです。今振り返ってみると、団体としてはあの渡航がある意味原点なわけで、ただの思い出で終わらない、感慨深いものがあります。

 

FESTに入ったきっかけは何ですか?

 一度別の団体のスタディーツアーに参加したことがあったんです。でも、用意されたプログラムだけをやって、子供の笑顔見て帰るだけじゃ満足できなくて。学生だけで国際協力をやるってことが単純に面白そうだと思って、学生団体を探してました。その頃って、既存の学生団体は、スタディーツアーだけやってるところが多かったんです。でも、ただスタディーツアーのサポートして終わりじゃつまんないと思って。なかなかピンとくる団体が無い中で、まだ設立段階だったFESTのビジョンに面白そうだと思って入りました。

 

FESTに入って、どういう思いで活動していましたか?

 仲間に対して感心することが本当に多かったです。仲間からたくさんの刺激を受けて、国際協力に関して勉強になったという面もあるけど、その他の面でも本当に学ぶことが多かったです。みんなを凄いと思うだけじゃなくて、自分もそれに追いつかなきゃって、必死でした。そうしていくうちに、興味をもったことに軽く足を踏み出せるようになりました。イベントに行ったり、写真展に行ったり、本を読んだり。昔の自分では考えられない、大きな変化です。

FESTに入って、たくさんのことを学んでいくうちに自分自身も成長できて、本当に良かったと思っています。

Talk with FEST

 

 

 

             佐藤孝之さん

 (OB/フォトワーク事業部長・国内事業部)

 

 

 

 

               

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